ロールシャッハテストについて
ロールシャッハテストは、人の心理的なメカニズムを、その人の現在の状態とその精神構造の両面から、詳しく 見ることができる心理テストです。 このテストは、世界中の様々な心理学のフィールド、主に医療、教育、産業、司法の場で使われています。
起源
C.G. Jung と同時代のスイスの精神科医であったHermann Rorschachは、統合失調症の患者たちがあいまいなイメージのものについて独特な知覚の仕方をすることに注目しました。
彼は、患者群と健常群がインクのしみをどのように知覚するのか膨大なデータを体系的に研究し、知覚のプロセスにはさまざまなタイプがあると指摘し、それらの知覚のプロセスと心理学的な特徴、あるいは、いくつかの精神的不調との間には関連があることを実証しました。
たとえば、(より細かく分析的に見ようとするアプローチとは対照的に)インクのしみを全体で見ようとするアプローチは統合力と関連していることや灰色や黒への反応は抑うつ的な状態と関連していること、対象物をよく見て調和がとれた反応やその質と現実検討力が関連していることなどです。
ロールシャッハは、外界との関わり方の基本的なスタイルは内向型、外拡型、不定型の三つのタイプに分けられるのではないかと指摘しました。
これらの三つのタイプは、人々がふだん心を使う際に外界とどうつながり、どう関わりを断つのか、あるいは、感情をどう織り交ぜるのかを示しています。
それ以前の研究者たちとは違って、ロールシャッハは、インクのしみのテストを人々の想像力を見るものだとは捉えませんでした。
彼は、これらの反応プロセスにおいて想像力の関与は控えめだと考えていました。
彼は、知覚の仕方そのものに興味を持っていました。そして、それは、人々が外界と関わる際の心理的なメカニズムを示しているとも考えていました。
彼の唯一無二であり素晴らしいアイデアは、反応内容を分析することではなく、インクのしみを人々がどう扱うのか(関係づけるのか)に焦点を充てることでした。すなわち、輪郭をどうかたどるのか、インクのしみの実際の特徴(色や影や形)をどう使うのか、また、一般的に多くの人々が知覚する反応とどれだけ似通っているのか、あるいは、どれだけ離れているのかといったことです。
現在
1922年、Hermann Rorschachの突然の死によって、彼がやろうとしていた研究は中座しました。しかし、彼が編み出した技法はほかにはないものとして伝わり、その後も広く普及していきました。 彼が研究論文を発表してから100年の間、世界中の何千もの心理学者(臨床家)がロールシャッハテストを活用し、研究し、発展させてきました。
このテストは、Hermann Rorschachが、いくつかは白黒、いくつかはカラーを用いて非常に繊細にデザインしたインクのしみのカードでできています。
正規のテスト図版は、歴史的な編集者である Hogrefe ホグレフが出版したもののみであり、世界中にいるISRの会員である心理学者(臨床家)は海賊版や模倣品の使用には固く反対しています。
https://www.hogrefe.com/eu/shop/rorschach-publishing-en-gb-57329-91533.html